家づくりの疑問解消FAQ FOR BUILDING A HOUSE
初心者の疑問
LCCM住宅とZEH住宅の違いはなんですか?
LCCM住宅
「ライフ・サイクル・カーボン・マイナス」住宅の略称で、「長寿命で且つ一層のCO2削減を目標とし、住宅の建設時、運用(居住)時、廃棄時において省CO2に取り組み、さらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により、住宅建設時のCO2の収支をマイナスにする」という住宅のことです。
ZEH住宅
「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、「外皮断熱性能を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により室内環境の質を維持しつつ、大幅な省エネルギーを実現した上で再生可能エネルギーを導入し、年間の一次エネルギー消費量の収支をプラスマイナスゼロとすることを目指した住宅」です。
LCCM住宅の省エネ性能は極めて高い、地球環境にやさしい住宅。費用対効果をしっかり検討しよう
この二つの認定住宅は、太陽光発電システムを設置することや、エネルギー消費量を削減する高省エネ仕様・設備にするというころは同じなのですが、「LCCM住宅」は、建設、居住、廃棄の流れにおけるエネルギー消費も太陽光発電などによって作り出したエネルギーによってまかなうことを目指していますので、居住中のエネルギーをマイナスにするような仕様の住宅になるということです。国の方針としても、「ZEH住宅」は2030年の目標基準、「LCCM住宅」は2050年の目標基準としており、30年後の未来基準の省エネ住宅が「LCCM住宅」なのです。
「LCCM住宅」は「ZEH住宅」の高水準モデルとして国が推し進めている先進型住宅ですから、省エネ性能は極めて高く、光熱費は非常に安く、地球環境に優しい住宅となりますが、建築費用は一般省エネ住宅に比べれば数百万円単位で高額となりますので費用対効果をしっかり検討する必要があります。もちろん国も「ZEH住宅」を超える補助金を措置してくれていますが、現時点では施工費を賄うだけの補助額(補助対象工事の掛かり増し費用の1/2、上限140万円)ではありませんので、どこまで施主として対応できるかが現実的な課題だと思います。
教えてくれた人
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宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター 住まいコンシェルジュ
中川 雄二
住宅産業に従事して30年。2006年にはエンドユーザー向けに「住まいづくりのコンサルティング」をおこなう会社を立ち上げました。私が得た知識と経験を皆さんの住まいづくりにどうぞ生かしてください。
2022.07.20 掲載