家づくりの疑問解消FAQ FOR BUILDING A HOUSE
初心者の疑問
長期優良住宅と一般住宅の違いは何ですか?
長期優良住宅の認定基準について
長期優良住宅は「長期優良住宅の普及促進に関する法律」の認定基準を満たしている住宅のことを指します。
この法律は2009年から施行され、所管行政庁から「長期優良住宅」の認定を受けることで、住宅ローン控除の優遇、不動産取得税の減額、登録免許税・固定資産税の引き下げ、各種補助金の対象になるなどの優遇措置が受けられます。
「長期優良住宅」は国が定めた認定基準をクリアしなければなりませんが、認定の基準となるものは、
1.劣化対策
2.耐震性
3.維持管理・更新の容易性
4.省エネルギー性
5.可変性
6.バリアフリー性
7.居住性
8.住戸面積
9.維持保全計画等
であり、定められた基準をクリアすることで認定が受けられます。
仮に認定基準をクリアする質の高い住宅を作っても、所管行政庁の認定を受けなければ「長期優良住宅」と認められません。
所管行政庁の審査・検査を受け、維持保全計画等を認められたものが「長期優良住宅」なのです。
長期優良住宅認定のメリットは?
「長期優良住宅」の認定を受けるメリットの一つに、設計・施工に関して第三者の目が入ることがあります。
住宅建築の多くは、設計・施工が一体化している建築会社に依頼するケースがほとんどですが、やり取りのしやすさやコスト削減が図りやすいというメリットの一方、施工に関してのチェック機能が甘いという弊害があります。実は、認定を受けることで第三者の目が入るということは、安心という大きなメリットを得ることになるのです。
現在、国はカーボンニュートラル政策を推し進めていますので、長期優良住宅が策定された時よりも段階の高い、安全性・省エネ基準を定めた認定住宅も制定しています。
また、建築費が高騰している中で、長持ちし、省エネ性の高い住宅は必要不可欠となってきており、安心して長く利用できる住宅を求める需要は年々高まってきています。認定の取得には申請費用以外にも部資材のコストアップの負担もありますが、これは今や必要コストと考える住まいづくりとなってきているのです。
教えてくれた人
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宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター 住まいコンシェルジュ
中川 雄二
住宅産業に従事して30年。2006年にはエンドユーザー向けに「住まいづくりのコンサルティング」をおこなう会社を立ち上げました。私が得た知識と経験を皆さんの住まいづくりにどうぞ生かしてください。
2023.04.12 掲載