家づくりの疑問解消FAQ FOR BUILDING A HOUSE
初心者の疑問
2世帯住宅を建てるのと敷地内に別棟を建てるのではどちらが安くできますか?
2世帯住宅・隣接地別棟のメリット
最近、2世帯住宅を検討される方が多くなりました。少子高齢化が急速に進んでいることがその理由の一つですが、活用できる(余っている)親族の不動産があること、昨今の建設費の高騰で単世帯では負担が大きく成っていること、女性の社会進出が当たり前となり親との同居メリットがクローズアップされていることなどが重なり、2世帯住宅を検討する方が増えているのだと思われます。現代において望ましい住まい方の一つとして捉えられているようです。
他方、世代をまたいだ家族が同じ家に住むことで、ジェネレーションギャプや日常のライフサイクルの違いなどの課題もあります。それを解消するのに2世帯住宅という形ではなく、同一敷地もしくは隣接地を活用しての別棟を選択している方もいらっしゃいます。隣接した別棟であれば、家族が近くにいるメリットは享受でき、困ったことがあれば助け合えるという安心感も変わりませんし、コスト面においても建設用地購入の負担が無いので資金計画上大きなメリットです。
2世帯住宅?それとも別棟を建てる?
経済的メリットだけを比較すると2世帯住宅の方が圧倒的にコスト面のお得感があります。建物は相応に大きくはなりますが、共有できるものが多く、別棟に比べると建設コストは安く収まります。
同一敷地の別棟の場合は、「一つの敷地に一つの建物」の原則を守るため土地を分筆しなければなりませんし、既存の家も含めそれぞれが建築基準をクリアするように設計しなければなりません。また、ライフラインなどもそれぞれに分けなければなりませんので、2世帯住宅に比べると相当のコストアップになります。
2世帯住宅が良いか、隣接別棟が良いかについては、土地の広さ、親子の関わり合い、ライフスタイルによって変わると思います。また、同一家系において、住宅を増やすことが将来的に良いか否かという問題も考えなければなりません。
コストの比較だけではなく、住まいをどのように考え活用していくかを検討することが、選択のポイントになるように思います。
教えてくれた人
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宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター 住まいコンシェルジュ
中川 雄二
住宅産業に従事して30年。2006年にはエンドユーザー向けに「住まいづくりのコンサルティング」をおこなう会社を立ち上げました。私が得た知識と経験を皆さんの住まいづくりにどうぞ生かしてください。
2023.07.10 掲載