家づくりの疑問解消FAQ FOR BUILDING A HOUSE
設備・間取り
太陽光パネルをつけた場合、蓄電池は必要ですか?
太陽光パネル設置の背景について
国が目指している「2050年カーボンニュートラル」。
戸建て新築住宅においては「ZEH(ゼロエネルギー)住宅」の普及が必要不可欠と言われており、新築される住宅には再生可能エネルギーである太陽光パネルを搭載することが求められてきています。実際、東京都にように、住宅に太陽光パネルを設置することを条例で義務化するところも出始めています。
太陽光発電システムはその名の通り太陽の光を電気に変換し発電をするシステムですが、天候に大きく左右されるのがネックです。また、日中の電気利用の少ない時に発電のピークを迎えるので、使い切れない電気は電力会社に売る形になります。太陽光エネルギーは無限であり、設備投資費用も今や安価となったことで新築住宅に設置される方も多くなりましたが、電気の有効利用という観点では中々難しい電源だと言えます。
蓄電池導入のメリット・デメリットとは?
発電した電気を自らもっと有効活用できないかとの議論の中で、蓄電池の普及が求められるようになりました。蓄電池があれば発電した電気を蓄えることができ、夜間でも災害時でも利用することができます。太陽光発電システムと蓄電池を一緒に導入することで、太陽光発電のネックを解消できることもあり、国も推奨し導入の後押しをしています。
しかし、蓄電池導入にはいくつか問題があります。
一つは蓄電池の設置場所です。蓄電池は非常に重く大きいので設置できる場所は屋外の安定した場所になりますが、水害の可能性があるような場所では設置する場所の確保が難しいという面があります。
二つめに、現在は価格がとても高く費用対効果が低いと言われています。国や市町村から補助金などの支援はありますが、百万単位になる導入コストには躊躇する方も多いというのが実情です。
太陽光発電システムと蓄電池は最高の組み合わせであること間違いありませんが、蓄電池を導入するかどうかは、周辺環境やライフススタイルを考慮に入れ、導入のメリットとデメリットをよく検討することが必要だと思います。
教えてくれた人
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宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター 住まいコンシェルジュ
中川 雄二
住宅産業に従事して30年。2006年にはエンドユーザー向けに「住まいづくりのコンサルティング」をおこなう会社を立ち上げました。私が得た知識と経験を皆さんの住まいづくりにどうぞ生かしてください。
2024.02.21 掲載